親権・監護権(離婚) 親権と監護権 面接交渉権

親権は、身上監護・教育権と財産管理・代理権とに分類されます。

監護とは、主として、子供の身体に関する監督・保護・育成を意味し、教育とは、主として、子供の精神的育成を意味します。

通常は、親権者が同時に監護権を有し、子供を引き取って養育・監護しますが、子供の福祉のために監護権者と親権者を分離することが必要な場合は、親権者でない父母の一方又は第三者を監護権者に定めることができます。

監護権者を定めた場合は、身上に関する監護は監護権者が行い、子の財産に関する法律行為の代理は親権者が行うことになります。

親権者は必ず離婚前に定めなければなりません。
監護権者は離婚後でも定めることができます。

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● 親権と監護権

親権者・監護権者の指定方法

親権者を父母のどちらにするかは、まず夫婦の協議により決めます。
夫婦の協議ができないとき、又は、協議で調整がつかない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てをします。

調停が不成立の場合は自動的に審判が開始され、裁判所の審判により定められることになります。
裁判離婚の場合には、判決によって定められることになります。

調停・審判では、子供にとってどちらの親が親権者となるのがより幸福であるかということを考慮して決めます。
具体的な基準としては、乳幼児の場合は、特別の事情がないかぎり母が親権者として優先されます。
子供が物心のつく年齢であれば、子供の意思が尊重されます。
現在、別居中で父母のどちらか一方が子供を養育・監護している場合は、その現状が尊重され、監護の現状に特別の問題がないかぎり、現実に監護している親が親権者として優先されます。

監護権者の場合も、まず父母の話し合いで決め、決まらない場合には、家庭裁判所に監護者指定の調停を申し立てます。

監護権者の場合は離婚後でも申し立てができます。
調停が不成立の場合は自動的に審判が開始され、裁判所の審判により定められることになります。


調停の申立て手続き

父又は母が相手方の住所地 又は 夫婦が合意した家庭裁判所に申し立てます。

 ●費用
対象となる子供1人ごとにつき収入印紙900円及び切手代

 ●必要書類
調停申立書(家庭裁判所にて入手)申立人の印鑑
申立人と相手方,子の戸籍謄本各1通


親権者の変更

離婚後、子供の親権者が子供の教育や養育の義務を果たさなかったり、親権者の心身や経済状態等に変化があり、子供の監護教育の義務を果たすことができなくなった場合は、子供の父母 及び 親族は家庭裁判所に親権者変更の調停を申し立てることができます。

調停が調わない場合は、審判を申し立て、家庭裁判所が判断し、審判を下します。


親権者変更の調停の申立て手続き

子の父又は母、子の親族が、相手方の住所地、夫婦の合意した家庭裁判所に申し立てます。

 ●費用
対象となる子供1人ごとにつき、収入印紙900円及び切手代

 ●必要書類
調停申立書(家庭裁判所にて入手)
申立人の印鑑
申立人と子の父母,子の戸籍謄本各1通



● 面接交渉権

離婚後に、子どもを養育・監護していない方の親によって行われる、子どもとの面会等をする権利を面接交渉権といいます。
日本では、婚姻に関し民法に規定がありますが、民法その他の法律上、面接交渉権について直接規定されていません。

しかし、実務上は、子の監護に関する事項(民法766条)のひとつとして考えられ、 裁判を通して認められてきた権利であり、現在では、親として有する権利として認められています。