離婚は、精神的苦痛を伴うとともに、金銭的な問題、子供の問題なども解決しなければならないため、膨大な労力を要します。
当事務所では、
● 親権、養育費、慰謝料、財産分与等のご相談
● 離婚協議書作成、公正証書作成に伴う離婚協議書の原案作成
● 公証人役場の手続 等、
法的手続から精神面のサポートまで、ご依頼者の立場を考え、ご相談に応じます。
お一人で悩まずに、まずはご相談ください。
離婚をするにあたり、財産分与、慰謝料、養育費など、いろいろ取り決めておく必要があります。
離婚に関してお金のトラブルはつきものです。
トラブルの発生を未然に防止するために、必ず離婚協議書にしておきましょう。
当事務所は離婚協議書を強制執行認諾約款付公正証書にしておくことをお勧めしております。
公正証書にしておけば、財産分与、養育費など、支払いが滞った場合、相手方の給与や財産を差押えることができます。
公正証書は、離婚の協議内容に沿って、公証人が作成してくれます。
離婚協議書をしっかり作成しておくことが、とても重要です。
離婚協議書の作成には、専門家である、私ども行政書士にお任せください。
当事務所の優秀なスタッフが、依頼者と納得いくまで話し合い、親切丁寧に作成させて頂きます。
離婚方法は以下の4つがあります。
1.協議離婚
協議離婚とは当事者同士が離婚の合意をすることにより成立します。
具体的には、当事者同士が協議の上、離婚届に署名押印し(認印可)、さらに成人の証人2名が署名押印(認印可)して、住所地の市町村役場に提出します。
ただし未成年の子がいるときは、親権者を決めておく必要があります。
財産分与、慰謝料、養育費などについて必ず離婚協議書など書面に残しておくことが大切です。
※勝手に離婚届をだされないためには。
離婚届の「不受理申出書」を役所に提出します。
「不受理申立書」を提出することにより、役所に離婚届を提出しても受理してもらうことはできません。
勝手に離婚届を出されることを防止することができます。
以前は、有効期間は6か月だったのですが、戸籍法の改正により平成20年5月1日からは「無期限」で不受理扱いになりました。
不受理申出書を取り下げるためには「不受理取下書」を役所に提出します。
※当事者の合意のない離婚届を出してはいけません。
離婚届は、離婚届を提出する時点での、当事者の合意が必要です。
当事者以外の人が勝手に記載して提出すると、刑法第157条「公正証書原本不実記載罪」にあたり「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処される可能性があります。
当事者の合意がない離婚届は無効ですが、勝手に離婚届を出された方が現実に離婚を無効とするには戸籍の訂正が必要です。
そのためには、家庭裁判所に離婚無効確認の調停を申し立てます。
調停で話がつかない場合、離婚無効確認の訴訟を起こす事になります。
婚姻が無効となった際に、婚姻をしていた場合は重婚となります。
重婚は法律上認められておらず(民法第732条)、また刑法第184条「重婚罪」にあたり「2年以下の懲役」に処される場合があります。
また、重婚罪は、重婚したものだけでなくその相手も同じく処罰されます。
もちろん、勝手に離婚届を出された方は、重婚での婚姻を取り消す事ができます。
手続きとしては、婚姻取消の調停を申し立てます。
調停で話がつかない場合、婚姻取消の訴訟を起こす事になります。
2.調停離婚
離婚の合意には至っているが条件面で話し合いがつかないとか、一方が離婚したくてももう一方が同意しないなど夫婦間の協議がうまくいかなかった場合、家庭裁判所に調停の申し立てをすることができます。
これが調停離婚です。
なお調停をせずにいきなり裁判を起こすことはできません。
具体的には調停委員会が離婚当事者の間に入り双方の言い分を聞き、条件が整うよう手助けしたり、冷静に話し合うよう調整します。
金額も安く済みます。
(当事者同士のみでする場合、印紙代、切手代、その他交通費等を含めても数千円〜数万円ですむでしょう)。
調停が成立すると離婚となりますが、調停には強制力がないため、当事者同士が合意しなかった場合は不成立となります。
3.審判離婚
数度の調停により離婚の合意はできているが、どうしても最後の段階で調停が成立しない場合や、客観的にみて離婚するのが妥当と考えられるのに、どうしても一方が同意しない場合などに、家庭裁判所が職権で強制的に離婚を成立させるものです。
当事者同士の合意は必要ありません。
ただし、審判の結果に対して、当事者が審判の告知のあった日から2週間以内に家庭裁判所に異議申立をすると、審判の効力はなくなります。
4.裁判離婚
調停が不成立、もしくは審判の結果に異議申立を行ったなどで離婚が成立しなかった場合、離婚の訴えを起こすことになります。
これが裁判離婚です。
裁判離婚はいかなる理由でも起こせるというものではなく、民法770条1項に定める5つの離婚原因のうちいずれかに該当する場合のみです。
(参考)第770条
夫婦の一方は、下記の場合に限り、離婚の訴を提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があつたとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明かでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
*遺棄:ここでの意味合いは、民法上、夫婦または養子縁組の当事者が、同居・扶助・扶養などの義務を怠ること。
養育費とは子供が親から自立するまで養育してもらうための費用です。
実際には、子供を実際に引き取って育てている親が、 もう一方の親から子供を育てていくための費用を 分担してもらうという形で養育費は支払われています。
夫婦は離婚すれば他人になりますが、 親と子供の関係はなんら変わるものではありません。
したがって養育費は、親であれば当然負担しなければいけないなので、特に取り決めがなくても養育費を支払う義務はあります。
たとえ経済的に困窮していても、自分自身が生活している以上、養育費は支払わなければいけないものです。
養育費は、通常は成人(20歳)に達するまで支払われるべきものですが、夫婦の協議により、18歳までとか、大学を卒業するまで、社会人になるまでというように自由に決めることができます。
ただし、子供が婚姻した場合は、その子は未成年であっても民法の規定(民法753条 成人擬制)により成人したとみなされるので、養育費の支払い義務はなくなります。
金額については、
・「当事者の所得金額(年収)(自営・給与所得の別)」
・「子供の年齢」
・「子供の人数」
等を考慮して決めることになります。
事案により異なりますので、正確な金額はお答えできません。
一般的には、3万円〜6万円とされている方が多いようです。
養育費は、まず夫婦の協議で金額を決めていきますが、どうしても協議が折り合わない場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てます。
しかし、そこでも養育費が決まらない場合は、自動的に審判に移行します。
養育費請求の調停は、子ども自身が「扶養料」として請求することも可能です。
その際は親権者が代理人として請求することになります。
養育費請求の調停の申立て手続
父又は母が、相手方の住所地、夫婦の合意した家庭裁判所に申し立てます。
●費用
対象となる子供1人ごとにつき、収入印紙代1200円分及び切手代
●必要書類
養育費請求の申立書
申立人の印鑑
子供、相手方、申立て人の戸籍謄本各1通
※注
一度決めた養育費の額を変更することは、
養育費を決めて書面に残していた場合、その金額をを変更するのは難しいです。
慎重に協議する必要があります。
しかし、民法の規定により(民法880条)、正当な事由があれば増減が認められる場合があります。
(財産分与、慰謝料は認められません)
増額請求の正当な事由
●子供が進学したり、病気や事故にあい治療費がかかり、取り決めた養育費以上にお金がかかる場合。
●子供を引き取った方の親の失業や収入低下の場合等。
減額請求の正当な事由
●養育費を支払う側が失業したり、収入が低下したりなど、支払いが困難と考えられる事情が発生した場合。
●子の母親が再婚してその夫が養子縁組を結んで面倒見ている場合。
●養育費を受け取る側の収入が増加し、養育費が支払われなくても安定した生活を送れるようになった場合。
慰謝料とは、精神的な苦痛を与えた者に対する損害賠償です。
離婚の場合の慰謝料は、離婚原因である有責行為(不貞行為、暴力など)をした者に 対する損害賠償請求です。
暴力や、不貞行為のような場合にはどちらに責任があるかは明瞭ですが、性格の不一致、信仰上の対立、家族親族との折合いが悪いとかいう場合についてはどちらに責任があるかという判断がむずかしく、一方に責任があるとしてもそのきっかけをつくったのは相手の態度にも原因がある場合が多く、慰謝料の支払義務が発生するとはいえない場合が多いと考えられます。
そうした場合には双方の責任の程度の割合によって慰謝料が決められます。
協議離婚、調停離婚、裁判所の和解などによる離婚では、早期解決の為に「解決金」という名目で一時金を支払う場合が多いようです。
慰謝料の金額については個別的なもので、明確な基準が定められているわけではありません。
現実の慰謝料の支払いは、財産分与と合算する場合が多く、家庭裁判所の統計も合算して出しています。
一般的なサラリーマンで、財産分与と慰謝料を合わせて200万から500万円が典型です。
慰謝料の金額は、夫婦の協議で決定します。
協議できない場合や協議が整わない場合は、家庭裁判所の調停、さらに、地方裁判所での判決で決められることになります。
夫婦のどちらかに生活能力がない場合には、生活力のある配偶者が離婚の責任がなくても、生活力のない配偶者に扶養的な意味を含めた一時金が支払われることがあります。
(扶養的財産分与)
慰謝料についてもトラブルの予防の為、協議書などで書面に残しておく必要があります。
個人の協議書だけでは法的な強制執行力はないので、協議書を強制執行認諾約定付きの「公正証書」にしておきましょう。
※注
原則として財産分与は家庭裁判所、慰謝料は地方裁判所の管轄になっていますが、家庭裁判所では「一切の事情を考慮して」という民法の規定があるので、財産分与の額を決定するのに、慰謝料の要素も含めることがあります。
だからといって、財産分与に常に慰謝料が含まれているとは限りません。
財産分与に慰謝料が含まれているのかどうかは、きちんと明記しておかなければ、後日、まだ慰謝料が残っているとか、財産分与は別だと言われる可能性があります。
※離婚での財産分与では法的性質に応じた内訳をはっきりさせておきましょう。
※財産分与という名目に清算的財産、扶養的財産、慰謝料的財産、過去の婚姻費用の清算が含まれているのかどうかを明確に明記しましょう。
(参考)
最高裁判所判例
財産分与と離婚による慰謝料は性質が違うので、すでに財産分与がなされていても、不法行為を理由として別に慰謝料を請求することができる。
財産分与に離婚による慰謝料が含まれている場合には、別個に慰謝料を請求することができない。
財産分与に慰謝料が含まれたとしても精神的苦痛を慰謝するには足りない場合には、別個に不法行為を理由として慰謝料を請求することができる。
慰謝料を請求するには証拠をそろえておく必要があります。
たとえば暴力をふるわれて怪我をした場合の診断書や、愛人の写真や手紙、電話の明細等です。
精神的、肉体的苦痛を記録したメモ、日記なども証拠になる場合がありますので、できる限り具体的に記録しましょう。
慰謝料が確定した後の措置
慰謝料が支払いの約束をしたとしても、財産を勝手に処分されてしまっては本末転倒です。
財産の確保、所得隠しの防止のためには以下のような手続きが効果的です。
・家庭裁判所に離婚の調停を申し立て、調停が終了するまで、財産の処分を禁止する仮の処分を申し立てる。
・家庭裁判所に審判を申し立てた上で、審判前の保全処分を申し立てます。
この処分には執行力があるため、相手が財産を隠したり処分したりするのを防ぐことができます。
・民事上の保全処分手続きを利用します。
地方裁判所に対して、不動産や定期預金の処分禁止の仮処分や仮差押えの申し立てをします。
慰謝料を請求する時期としては、離婚前をお勧めします。
離婚後も慰謝料は請求できますが、離婚が成立した日から3年という消滅時効がありますので注意してください。
財産分与とは、婚姻中に築いた財貨と資産を離婚のときに分配することをいいます。
ですから婚姻前の財産は、特有財産とされ対象になりません。
一方の名義であってもその財産の形成に相手方の寄与が認められれば妻にも分与されます。
財産分与には下記のようなものがあります。
1.精算的分与
婚姻中の共有の財貨、資産など実質的な共有の財貨と資産の精算的な分与です。
2.扶養的分与
離婚により一方が経済的に困窮する場合、自立するまでの援助として月々分割で財産分与を行います。
支払期間は一般的に3年程度が目安です。
3.慰謝料的分
与財産分与に慰謝料を含めて、財産分与を行います。
最近の傾向は妻が専業主婦でも割合は、5対5となってきているようです。
内容は、夫婦の協議によって決めていきます。
最初に結婚生活の間に作った財産がどれだけあるのか調べる必要があります。
預貯金、家財道具、保険、有価証券、自動車、土地、建物、会員権、退職金、年金などが対象となります。
また、住宅ローンなどのマイナスの財産も含まれます。
住宅売却の際には時価から住宅ローンの残債を除いた手元に残る現金部分もしくは負債部分が分与の対象となります。
婚姻当初に夫に借金があり、夫婦の努力によって減少したという場合は、借金がなければその分が蓄積されたと考えられる事から、この返済分相当の分与が認められています。
ここで漏れがあったり、知らない事があると損をすることがたくさんあります。
よく調査し、離婚までに夫婦で合意しておけるようにしましょう。
合意に至らない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てをします。
財産分与の対象が土地・建物などの不動産の場合、名義変更の手続として所有権移転登記をする必要があります。
所有権移転登記は法務局で行います。
所有権移転登記には以下の書類が必要になります。
・登記申請書
・不動産を分与する者の登記識別情報または 登記済証離婚協議書分与される者の住民票
・印鑑証明書代理人によって申請する場合は委任状固定資産税評価証明書
なお、所有権移転登記には登録免許税がかかります。
財産分与を請求する時期としては、離婚前をお勧めします。
離婚後も財産分与は請求できますが、離婚が成立した日から2年という消滅時効(除斥期間)がありますので注意してください。
除斥期間と消滅時効
期間の経過により権利が消滅する点は同じですが、消滅時効は中断により進行が停止するが除斥期間には中断がないこと、消滅時効は当事者が援用することによって効力を生じますが除斥期間による権利の消滅の効果は当時者が援用しなくても当然に発生します。